<Header>
<Author: 祖詠>
<Title: 江南旅情>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 唐詩選　上>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 漢文無假名>
<style2: 日本漢文訓讀無假名標注>
<TranslatedTitle: 江南旅情 >
<BookPage: 241-242>
<UsedPage: 2>
<Feature: 1>
<End Header>
<Poem>
楚山不可極，
歸路但蕭條。
海色晴看雨，
江聲夜聽潮。
劒留南斗近，
書寄北風遙。
爲報空潭橘，
無媒寄洛橋。
<End Poem>
<Translation>
いにしえの楚の國へ旅をしたが、山また山の奧深く、とても行きつくすことができなかった。途中でひきかえしてやってきた江南の道はただうらさびしいばかりだった。 海の色を望むと晴れているのに、ななめに飛んでいる雨あしが見え、夜にいると、揚子江の浪音がひびいて、そこにおしょせる潮騒さえものすごく聞こえてくる。自分は一剣を横たえてこの南國にさすらい、昔なら、さしずめ、その剣の氣が南斗六屋のあたりに紫の光を現ずるというところだが、そんな元気はない。故郷へのたよりを書いて便に托し、はるばる遠いことが心細くなった。それでいまこの人氣のない淵のほとりに名物の橘がたわわになっているのを故郷の人に贈りたいと思うけれど、こんな荷物を洛陽まで持って行ってもらうつひはないのだ。殘念ながら諦めるよりほかない、といってやった。
<End Translation>
<Formatted Translation>
いにしえの楚の國へ旅をしたが、山また山の奧深く、とても行きつくすことができなかった。
途中でひきかえしてやってきた江南の道はただうらさびしいばかりだった。 
海の色を望むと晴れているのに、ななめに飛んでいる雨あしが見え、
夜にいると、揚子江の浪音がひびいて、そこにおしょせる潮騒さえものすごく聞こえてくる。
自分は一剣を横たえてこの南國にさすらい、昔なら、さしずめ、その剣の氣が南斗六屋のあたりに紫の光を現ずるというところだが、そんな元気はない。
故郷へのたよりを書いて便に托し、はるばる遠いことが心細くなった。
それでいまこの人氣のない淵のほとりに名物の橘がたわわになっているのを故郷の人に贈りたいと思うけれど、こんな荷物を洛陽まで持って行ってもらうつひはないのだ。
殘念ながら諦めるよりほかない、といってやった。
<End Formatted Translation>